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ふるさと納税関連の法律を見てみる

2021/06/25
テーマ: Tax / 2021 / すべて


今日はふるさと納税関連の以下の 2 つの法律原文を読んで味わってみることにします。

おことわり

ポイント

(1) 住民税は 10% ですが、実はその 10% は都道府県民税(4%)と市区町村民税(6%)に分かれています。 ※政令指定都市は都道府県民税(2%)と市区町村民税(8%)

そもそもこれが分かっていないと理解できない数字があとででてきます。

(2) 通常の寄付金控除分に加えてふるさと納税の分が税控除できますよ〜ということが、都道府県民税と市区町村民税について別々に書かれています。

都道府県民税からの税額控除

根拠となる法律: 地方税法 第37条の2 寄附金税額控除

概要

(あ) 当該寄附金の100分の4 + (い) 特例控除額が所得割の額から控除できますよ

特例控除額 = 特例控除対象寄附金の額の合計額のうち2000円を超える金額に対して100分の45〜85(表で決まる)した金額のさらに5分の2

ということが書いてあります。

(あ) がふるさと納税導入前から控除できた分, (い) がふるさと納税で導入された部分です。

100分の4 ってなんだ

さっそく謎の数字ですが、これは課税所得にかかる都道府県民税 4% のことです。

※政令指定都市は2%, 8%なのでその記述が法律原文の多重カッコ内に書いてある

100分の45〜85 ってなんだ

これはふるさと納税導入前から寄付金控除できていた部分を重複して控除しないように差し引いた結果の比率です。

ふるさと納税のカラクリ で解説したように、ふるさと納税の税控除は以下の 3 つに分かれているわけですが、...

(1) 所得税からの控除 = (min(寄附金額, 総所得金額等の40%) - 2,000円) × 所得税の税率
(2) 住民税からの控除(基本分) = (min(寄附金額, 総所得金額等の30%)) - 2,000円) × 10%
(3) 住民税からの控除(特例分) = min( 住民税所得割額 × 20%, (寄附金額 - 2,000円) × (100% - 10% - 所得税の税率) )
※所得税の税率は復興特別所得税(所得税率×2.1%)込み

(3) の (100% - 10% - 所得税の税率) の部分がこの表ということになります。

5分の2 ってなんだ

謎の数字は続きます。

これは住民税のうち都道府県民税の割合40%のことです。この法律では都道府県民税について書いてあるので、特例控除額も都道府県民税についてだけ定義してあるわけですね。 ※政令指定都市の場合は2%/10% = 5分の1 になります。

最初見たときこの5分の2が何なのかさっぱり分からなかったわけですが、それはそもそも法律が都道府県民税と市区町村民税に分かれているのを知らなかったのが原因です。

法律原文は結果の数値だけ書いてあって、式や解説なしでは意図がまったくわからんように出来ているようです。

市区町村民税からの税額控除

根拠となる法律: 地方税法 第314条の7 寄附金税額控除

概要

(あ) 当該寄附金の100分の6 + (い) 特例控除額が所得割の額から控除できますよ

特例控除額 = 特例控除対象寄附金の額の合計額のうち2000円を超える金額に対して100分の45〜85(表で決まる)した金額のさらに5分の3

ということが書いてあります。

100分の6 ってなんだ

これは課税所得にかかる市区町村民税 6% のことです。

※同じく政令指定都市は2%, 8%なのでその記述が法律原文の多重カッコ内に書いてある

100分の45〜85 ってなんだ

都道府県民税の所に出てきた (100% - 10% - 所得税の税率) と同じやつです。

5分の3 ってなんだ

これは住民税のうち市区町村民税の割合60%のことです。 ※政令指定都市の場合は8%/10% = 5分の4 になります。

まとめ

最初見たときさっぱり分からなかった謎の数字の意味が理解できたのでスッキリであります。

ていうか法律作るときによくわかる解説を書いておいてほしい。


2021/06/25
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